ICT導入に加え、保育者がワンチームになれる関係性づくりを実施。継続的かつポジティブに振り返る風土が醸成できた
- 全体の職員会議を廃止して、クラス単位でじっくり相談し合える場を作った
- すべてのクラス会議に管理職が参加し、ダイレクトな認めと話しやすい雰囲気を作った
- チャレンジテーマ決めと自己評価・他己評価の実施で、自信と意欲が向上する仕組みを作った
- 役職名ではなく名前で呼び合うことで、チーム意識と安心感を醸成した
保育の振り返りに対して、ユニークな取り組みを実施している心育保育園さま。
園を運営している株式会社Step upの統括・村本先生に、実践事例をうかがいました。
ICT導入によって保育者は保育をより楽しめるように
ルクミーのICTサービス導入後、心育保育園さまではどのような変化がありましたか?
ICT導入の効果・影響度を測るアンケートでは、保育者が保育をより「楽しい」と感じるようになったことや、スキルの向上が結果に表れました。
「同僚と語り合う時間がどの程度とれているか」という項目では、「とれている」という回答が4ヶ月前の調査と比べて20ポイント以上アップ。
また「保育者が気持ちを落ち着かせる時間的余裕があるか」という質問に対しては、「余裕がない」という回答がなくなり、ポジティブに変化したことがわかります。
これらの項目が改善した背景には、園長・主任やクラスの先生がワンチームとしてお互いを認め合い、相談し合える関係性を作るためのさまざまな工夫があります。
会議の内容やコミュニケーション方法を変えて、チーム意識と安心感を醸成
保育者がワンチームとして良い関係性を築くため、どのような工夫をされたのでしょうか?
当園では4つの工夫を行いました。
まずは全体での職員会議を廃止して、クラス単位で安心して相談し合える場へ変更したのです。
以前は園全体で職員会議を行っていたんですが、ただ報告するだけの会になってしまっていました。
そこで、会議をクラスごとに実施するよう変更。
各クラスの課題やクラスの担任の先生とじっくり向き合う時間を作ったんです。
また、会議の場を小さい単位にしたことで、職員は躊躇なく発言できるようになりました。
次に、クラス会議には園長や法人統括も参加し、ダイレクトな認めと話しやすい雰囲気を作りました。
クラス会議の場では、自分の取り組みを伝え、他の先生の取り組みを聞きます。
そうすることで、保育の質を上げるための良い刺激になっているんです。
その結果、園内研修を別途セットしなくても、毎月の会議が「研修兼会議」のように機能し、効率的に学べるようになりました。
管理職は参加する会議が増えることになってしまいますが、「管理職にとっても学びの場である」と前向きにとらえ、時間を捻出しています。
3つ目の工夫は、毎月チャレンジテーマを決め、自己評価と他己評価による自信と意欲の向上を図ったことです。
毎月のクラス会議では、当園独自の「達成評価シート」を活用し、そこに各自のチャレンジテーマを宣言します。
そして次の月の会議で「〇〇までしかできなかったので60点です」などと自己評価を実施。
同時に他の先生からも評価してもらい、自分から見えない「できていた部分」を認めてもらって自信をつけるんです。
4つ目として、「園長先生」などの役職名ではなく、お互いの名前を呼び合うようにしました。
そうすることで、保育者に対して「横並びで一緒に考えていく仲間」というスタンスを明確にでき、チームとしての意識と安心感が生まれています。
お互いを褒め合う場が、ポジティブな振り返りを生む
保育者同士が良い関係を築きながら振り返りを実践できる工夫は、どのように考え出したのでしょうか?
「もともと保育者は子どもの良いところを伸ばす手立てを考えるプロ」という視点から、「大人同士で褒め合う会を実践してみたらいいのでは?」と思いついたんです。
会議の内容を見直し、コミュニケーションをとりやすい場を用意することで、「園内研修の1回」で終わることがなくなりました。
そうして、保育者自身のことも保育のことも、継続的かつポジティブに振り返っていける風土が作れました。
結果的に、園の離職率も低下したんですよ。
本インタビューは『スマート保育園・幼稚園・こども園通信』2020年度8月号と2021年度4月号を元に作成しています。
こちらからPDF作成版をダウンロードいただけます。
・2020年8月号
・2021年4月号
※Web版とPDF版で編集の都合上、一部内容が異なる場合があります。
※記載内容はインタビュー当時の内容です。
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