往還型ドキュメンテーション研修を経て写真記録から少しずつスタート
- 同じ情報を別の箇所に何度も手書きするなど、細かな作業に時間と手間がかかっていた
- ドキュメンテーションを通じ、職員それぞれの視点を共有することで、同僚性を高めたり、質の良い保育につながる意見交換をしたりすることには興味はあった
- ICTを活用した災害対策や連絡網の整備などに関する必要性を感じていた
- 以前まではデジタルカメラで写真を撮影した後、パソコンにデータを読み取らなければならなかったが、その時間が短縮されたことで、積極的に写真を撮るようになった
- 撮影回数が増えたことで、子どもたちを見る視野が広がった
- 今後はドキュメンテーションを通して、職員間でしっかり意見交換ができそう
時間の使い方を見直し、職員間のコミュニケーション時間をつくっていきたい
ルクミー導入のきっかけを教えてください。
もともとは「ルクミー午睡チェック」を使っておりまして、7月にルクミーに新しくドキュメンテーションのサービスができたということを知りました。
ちょうどドキュメンテーションに興味のあるタイミングだったため、今の手書き業務などの課題も解決できそう、ということで導入を進めることにしました。
具体的にはどんな課題を感じられていたのでしょうか?
四つあります。一つ目は、手書き作業の短縮化です。当園は小規模なので、手書きでも回るといえば回るのですが、よくよく業務を振り返ってみると意外と同じことを何度も書き写していたりするのです。
たとえば身体測定の場合、まずは下書きでメモを取って、そこから保育要録や別のノートに清書するなど、何度も手書きを繰り返さなければなりません。
工夫次第でこういった記録回数を減らせるのではないかと考えたのです。
二つ目は、職員のコミュニケーションの更なる円滑化です。当園には「子どもたちを真ん中に」という理念がありますが、職員たちは度重なる手書き作業をはじめ、さまざまな業務で日々忙しくしています。
もっと業務の時間を短縮して、より子どもたちの保育について話し合う時間を増やし、理念に近づいていきたいのだが、どうすればよいのだろう……とずっと悩んでいました。
三つ目は、災害対策への意識です。
通常、避難訓練では「午前中に避難訓練があるよ」など訓練の準備は万端な状態な状態で臨むことになりますが、実際の災害は突然訪れるものですよね。
ホワイトボードなどに今日の登園人数などを日々書いてはいますが、いざそういう緊急時に「記載漏れ」「連絡漏れ」など、万が一にでもあってはいけません。
「ルクミークラスボード」では、リアルタイムで「今、園に何人いるのか」「誰が登園していて、誰がいないのか」がわかりますから、そういった面で人為的なミスへの対策にもなると考えました。
四つ目は、連絡網の最適化です。
新型コロナウイルスの影響で急な休園連絡などが必要になる場合がどうしてもあります。
その際、当初は各家庭に電話していたのですが、つながらなければまたかけ直す必要があり、とても大変な仕事でした。
メールの一斉配信も検討しましたが、エラーなくきちんと送信できるのか、全員が読んでいただけるのかといった心配事が多く、スムーズに連絡を取れるシステムがほしいと思っていたのです。
ICT導入の肝は、焦らないこと
今は実際にどのように活用されていますか。
今はまだ慣れていない段階ですので、「ルクミーフォト」と「ルクミードキュメンテーション」を少しずつ使用しています。
全職員への本格的な導入もまだなので、これから少しずつ進めていく予定です。
現場から、ICTの導入についての不安の声はありませんでしたか。
はじめてのことですから、どうしても半信半疑にはなるものだと思っています。ルクミーフォトやドキュメンテーションを通じて、少しずつ体験を積み重ねていってくれればと思っています。
ICTを全面的に導入するには、急がないことが重要だと思っています。
私自身は積極的に進めていきたいのですが、私だけが焦ってしまっていても、職員の負担になってしまいますからね。
徐々に園内に浸透させていくために、3名の職員をICT導入担当に任命しました。
これから担当者たちに率先して使用方法を覚えてもらい、使い勝手や改善点などをまとめてもらうつもりです。
ドキュメンテーションも先生発信で少しずつスタート
ドキュメンテーションはやりたいと思っていてもなかなか実践できない、という園も多いと聞きます。鞍馬山保育園さまではどのようにドキュメンテーションをはじめられたのでしょう?
「未来会議」などのセミナーで、汐見先生なども「どうせやるなら楽しく」というお話をされていましたが、私たちも同じ思いを持っていて「じゃあどうやったら実践できるか」を考えました。
そこで「往還型ドキュメンテーション研修」に職員に参加してもらったところ、自分たちの視点の変化はもちろんですが、他の園さんのいろいろな取り組みの事例なども聞けて、非常に良い刺激になりました。
ルクミーを導入してみて、ルクミーフォトやルクミードキュメンテーションが触れる環境になり、研修にも参加していたので「ドキュメンテーションやってみない?」と促してみたところ、「じゃあやってみよう」ということになりました。
実際に写真を撮って見ると、写真の訴える力・伝える力は非常に大きく、まずはそれを実感するところからスタートしました。「コメントをつける」「視点を深める」という点では、今振り返るとその時はまだまだだったかなと思いますが、まずは「写真を撮り」「それについて職員同士で会話をする」というその軽いポイントからスタートできたことはよかったなと思います。
また、研修には最初二人の先生が参加し、その次の期間に別の二人が参加しました。全部で四人の先生が参加しており、四人の先生の間で「ドキュメンテーション」に関して共通の意識が醸成されているので、実践しやすくなったということも今いろいろ取り組めている土台になっていると思います。
時短と職員間の視点共有で、「楽しい保育」「良質な保育」を目指す
ルクミーを導入して良かったことを教えてください。
「ルクミーフォト」があるおかげで、たくさん写真を撮るようになりましたね。デジタルカメラで撮影したデータをパソコンに取り込み、印刷したり掲示したりする手間が省かれたことが大きいと思います。気軽に写真を撮れる環境ができたため、子どもたちの細かな様子や表情に敏感になり、より撮影へのモチベーションも上がりました。
そして、職員一人ひとりの子どもたちへの視野が広がったと感じています。もちろん、これまでも子どもたちの些細な動きはきちんと見るようにはしていました。しかし、より多くの写真を撮れるようになり、「ルクミードキュメンテーション」で写真に一言コメントを残す習慣がついたため、今まで以上に「この子は今、何を考えているんだろう」「どうしてこんな顔をしているんだろう」と深く考えられるようになったようです。
今後、ルクミーの活用を通して実現していきたいことは何ですか?
私は常々「楽しい保育」を実現したいと考えてきました。そのためには、まずは職員同士が認め合うことが大切だと感じています。しかし、保育の現場では細かな業務が多いため、職員同士がコミュニケーションをとる時間を確保することはなかなか難しいのです。
しかし、ICTを使うことで作業時間を削減したり、子どもたちの様子やそれに対する考えを共有したりできるようになります。
そもそも保育はチームで行うものですから、一人ひとりの子どもにあった保育を実現するためには、一人の保育者の一つの視点だけでなく、複数の視点があって初めて質の良い保育ができると考えています。そのためには先生一人ひとりの保育を深めることに集中できる環境を作ることが大事です。
今後は、「ルクミードキュメンテーション」でコメントのついた写真を職員間で共有することで、職員の考えをじっくりと話し合うような機会を持てるだろうと期待しています。
一人ひとりの子どもが自分らしく成長できる環境を整えるのが、私たちの仕事です。ルクミーを使って、より良質な保育を目指していければと思います。
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