「みてみて」から生まれる子ども中心の自然な会話が、先生同士や先生と保護者の交流を生み良い循環につながる
- 写真記録や保護者への共有はスケッチブックを使って行っていたが、制作に手間がかかっていた
- ただでさえ保育者の日々の業務負担は重いのでツールを入れるなら負担が軽くものが良いと思っていた
- 手軽に写真を撮りはじめられ、制作の負担も減った
- 園での様子を写真付きで、「電話するほどでもないな」というちょっとした連絡も活発に
- 日誌のフォーマットも見直して、ドキュメンテーションをやりたいという気持ちを大事にしつつ、全体的な業務バランスが楽になるようにした
- 気軽に撮れる&見れるので、先生たちの子どもを中心にした対話が増えた
ドキュメンテーションに取り組んでみたいけどなかなか最初の一歩を踏み出せない…。そんなお悩みを抱えている園さんもいらっしゃるかと思います。その最初の一歩をどうやって踏み出したのか、「もりのおがわ保育園」園長の木川先生にお話しをうかがいました。
※本インタビューは2022年8月の保育をどうしよう未来会議のセッション「毎日のドキュメンテーション実践で広がる園内コミュニケーション ~楽しく広がる・毎日の発見・保護者とのつながり~」でも詳しくお話しいただいております。
社会福祉法人貴静会
もりのおがわ保育園
園長 木川 誠之先生
(東京都町田市)
先生たちの「やりたい」の声を大切に、無理のないところからドキュメンテーションをスタート
もりのおがわ保育園さんでは、今日々たくさんの写真を撮られていますが、ルクミー導入の前から写真ドキュメンテーションはやっていたのでしょうか?
私が当園に来た頃はやっていませんでした。
ただ、前から汐見先生や大豆生田先生のお話しを通じて写真記録を知っていましたし、前の園ではやっていたのもあり、当園でもやりたいなとは思っていました。
そんな中、職員がキャリアアップ研修に参加したんです。
ポートフォリオを使って子どもの姿をそのまま保育に取り入れる、という実例をその研修で聞いたようで、職員自ら「やってみたい」と声をあげてくれました。
私自身がずっと持っていた想いを職員から発してくれたことで、写真ドキュメンテーションをはじめる良い空気ができ、はじめるきっかけになりました。
上から与えられるよりも、自分で「やりたい」と言う空気が大事ですから。
写真ドキュメンテーションはどのように始められたのでしょうか?
昨年後半から来年度に向けたドキュメンテーションの実践を、主任・副主任の先生と一緒にまず少しずつはじめました。
スケッチブックに写真を貼って、その日のできごとを書く簡単なところからです。
最初は頻度も少なかったですよ。
毎日、とは言わず「一週間に一枚でいいから」という形でできるところからやろう、の声かけをしていきました。
綺麗に作る・しっかりと文章を作る、のはやはり負担が大きくハードルが高いですからね。
できるだけハードルを低くして、慣れてもらうところからはじめました。
スケッチブックは一年ぐらい続けたのですが、最終的に2歳、幼児クラスは毎日やるようになっていきました。
保護者が見れるところに置いていたので、「今日こんなことしたんですね」など保護者から子どもの成長に関する会話も出てきて、先生たちも記録と成長の実感が持てるようになってきたみたいです。
新しいことをはじめる時に大事にしたのは先生たちが「楽になる」こと
スケッチブックからルクミードキュメンテーションにどのように変えていったのでしょうか?
大事にしたのは「先生たちが楽になること」です。
ルクミーなら先生たちの負担を減らしてドキュメンテーションが作れそうという期待があったので、ルクミーの導入を決意しました。
スケッチブックも良かったのですが、作成にあたってどうしてもひと手間かかってしまうという現実があったので。
実際にルクミーを使うようになって、今は毎日写真を撮れていますが、それが負担にならないようにドキュメンテーション以外のその他の業務も見直したんです。
全体的な業務バランスを考えて、他の園の事例を参考にしたり、現場の先生たちと話し合って日誌のフォーマットを変えていきました。
具体的には、ルクミードキュメンテーションのコメントをこれまでよりも細かく記載するようにして、それと評価反省だけの簡単なフォーマットをセットにして、2枚合わせてその日の保育日誌としています。
ドキュメンテーションを作れば日誌ができる、という風にしてトータルの業務負担を軽くするようにしました。
PDFの掲示や手軽な共有など、ルクミーだから「場」での会話が増える
ルクミーに変えたことで保護者の反応は変わりましたか?
ドキュメンテーションはデータで送らず、PDFを印刷して教室前に貼る形にしているので、共有方法自体はスケッチブックと変わらないです。ただ、貼り付けられる写真が増えたので、会話の種は増えていると思います。
アプリで送らないのは、保護者と先生のその日のその場での会話を大事にしているからなのですが、むしろそういった紙の掲示にそのまま使えるのでルクミーを導入してよかったと思っています。
先生たちの変化はいかがでしょうか?
日々の何気ない会話の雰囲気が良くなった気がします。
タブレットやスマートフォンから「気軽に見れる」ことで、「今日●●公園にいってきたんだけど」「みてみて」など、活動自体の会話ではなく、写真を見ながら子どもについての対話が増えたなと感じています。
会議でしっかり振り返りするぞ、というより毎日の自然な会話の中で、気軽に写真をきっかけにして話ができていることは、すごく良いと思います。
「これならできる」を現場と一緒に考える
木川先生は現場の先生の負担をすごく考えていらっしゃいますよね。普段意識されていることとかあるのでしょうか?
現場との温度感の差はすごく意識しています。
自分が考えていることが現場の先生的にはどうなのか、きちんと話を聞くようにしたり。
「やりたい」という気持ちは大事にしたいけど、無理はさせたくないと思っているので、ドキュメンテーションを始めるときにも負担にならないように、はすごく意識しました。
やはり保育者って業務が多いと思うんですよね。その上にドキュメンテーションが載ってくると「重い」。
振り返りが大事、とは言ってもやっぱり「やることが増える」ことには変わらないですから。
だからいかに現場の先生の実態と照らし合わせながら業務負担を減らし、「これならできる」を探すことが大切だと思っています。
その点、ルクミーの素晴らしいところは「ルクミーフォト」の撮影アプリです。
iPod touchでとったものがすぐに園の他のタブレットやパソコンからも見られるようになるのは本当に便利。
アプリと自動アップロードのあの仕組みがあることで、振り返りをするためのステップが減ってやりやすくなるし、形式ばらずに先生たちだけで話すことで自然と振り返りになります。
楽に、負担なく振り返りを始められるシステムだと思います。
先生たちの撮る写真、本当に素敵な写真が多いですが、撮影にあたってのコツは何かあるのでしょうか?
ドキュメンテーションの意味を最初に伝えるようにしました。ドキュメンテーションをやることによって何が生まれるのか、など。
あとはもともと先生たちが写真が好きというのが大きいと思います。だから最初に「やりたい」と言ってくれたと思いますし。
好きだからやり始めて、やっていくうちに「次はこういう風にしよう」とか新しい発見が生まれる。そういう良い循環が自然にできるのでしょうね。
ルクミーフォトは、そうした良い循環の中で保育者が撮った写真を、そのまま保護者に販売できるので、保育者のその視点をダイレクトに保護者に伝えられます。
そこで保護者からの反応があり、さらにまた新しい良いフィードバックが生まれているのだと思います。
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