コラム
みんなに聞きました!保育のための「あと15分」
2021年11月17日
今よりも、もっと「保育の質」を高めたい───
子どもたちと日々向き合う中で、より保育の質を高めたいという強い思いを胸に、業務に打ち込む保育士のみなさん。
ですが、子どもたちとコミュニケーションをとるためには、短時間で昼食を済ませたり、早出に残業、持ち帰り仕事……忙しすぎる保育の現場では、理想の保育を考えるゆとりを持てないのが現実です。
もし、ほんの少しだけ、「15分」だけでもゆとりの時間ができたなら?
たった「15分」と思うかもしれません。
でもその「15分」で行った取り組みが、良い変化を生む場合もあります。
実際の例を保育ICTシステム「ルクミー」がご紹介します。
毎日15分、子どもの記録をつける
北海道 旭川宝田学園 めいほう幼稚園 山本先生のケース
日々の振り返りを共有することで「未来の保育」につながる
保育の現場はどうしても手書き仕事が多く、大きな負担でしたが、ICTの導入で業務を効率化できたことで、めいほう幼稚園では毎日16時15分から15分間「子どもの記録をとる時間」を設けることにしました。
「最初は10分でしたが、記録の種類も増えたので今では15分に。この作業をする時刻と、15分という時間を決めることで、ほかの仕事にも影響したり、持ち帰り仕事を防ぐことができるという効果もありました」(山本先生)
これまでは後回しにしがちだった記録をきちんととることで、保育の振り返りがしっかりとできるように。また、紙の記録だと保育士個人が利用するだけでしたが、共有されることで保育士同士で語り合いが始まったり、子どもたちを見守る視点と意識も変化するなど、良い変化があったそうです。
「少しの時間でも手を止めてしっかり考えることで、未来へとつながっていくのではと思います」(山本先生)
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もしも時間が15 分できたなら、みんなは何する?
「本当は、もっとこうしたい」
「こんなことができる時間があればいいのに」
そう思っていても、忙しい日々の中では難しいですよね。
「もし、あと15分あったら?」……現役保育者は、次のようにホンネを語ります。
- 保護者とコミュニケーションをとりたい(北海道・小規模保育園/事業所内保育園・園長・50代)
- 保育についての振り返りなど、お互いの保育について話し合える時間にしたい(東京都・認可私立保育園・主任・50代)
- お話が苦手な子でもあせらずに会話ができるよう、子どもといろんなお話ができる時間にしたい(福岡県・認可公設民営保育園・主任・40代)
- その日の子どもたちの可愛い姿、面白い姿、「なんでだろう?」と感じた姿を語り合う時間に(静岡県・認定こども園・担任・20代)
- ノンコンタクトで、子どもと関係のないことを雑談したい(東京都・認可私立保育園・施設長/理事長・60代)
- ドキュメンテーションなどの作成や、指導計画、クラス便りなど、事務仕事にあてたい(長野県・認可公立保育園・園長・50代)
- 今は毎日、定時の30分前に出勤して仕事をしている状態。明日の予定分に取り掛かり、翌日の出勤時間を遅らせたい(幼稚園・担任・30代)
- 保育者一人ひとりとの語り合いの時間をとりたい(東京都・認可私立保育園・園長・40代)
- 施設内の整理整頓の時間に(愛知県・認可公設民営保育園・担任・50代)
- 自分自身の保育・教育に関する学びを深めたい(神奈川県・認可私立保育園・園長・70代)
やってよかった!みんなの時間の作り方
保育の現場を変えるのは、スキマ時間を作ることから。
「15 分」を生み出すためのみなさんの工夫を教えてもらいました。
周りと助け合う
- 保護者も子どもも保育士も、できるだけ多く関わることを意識。そうすることで、相手の困っている部分や保育のヒントなど、見えてくるものがある
- 業務を分担したり、自分に余裕があるときは「助けが必要かどうか」をほかの人に声かけ
- フリーのときは担任が動きやすいようにカバーすることで担任が時間を有効利用できるように
- 制作物や室内の環境を整える作業を、全員で相談して分担
効率化・見える化する
- クラスだよりなどはある程度パターンを決め、時間をかけなくても入力しやすい状態に
- 各クラスの月別の業務を洗い出し、次の年に誰が担任になってもすぐ把握できるように「見える化」を図る
- 事務仕事は、なるべく人のいない場所で
- ペーパーレスになるよう心がけ、職員会議の前に反省メールや振り返りメールを送信してもらう
事前に・早めに準備する
- 勤務終了時に1日の振り返りを行い、翌日のto doを書き出しタスク管理。イレギュラーな対応が入っても大丈夫なように、キャパシティの6割〜8割の内容になるよう振り分けている
- 保護者対応の議事録、ひやりハット、事故報告書などは、その都度こまめに提出する
- 園としての年間保育計画を作成し、姉妹園で共有。姉妹園の担当者同士でリモート会議を開催し、業務分担と情報共有をしている
- 早番の時間に配置が欠けることがないように、また閉園時間には保育士たちが帰宅できるように、意識して業務に取り組んでいる
コミュニケーションをとる
- 登降園時には、必ずその子の名前を呼んで挨拶
- 保護者はもちろん、職員間でもなるべく多くお互い話しかけて、コミュニケーションをとるように
- 先生たちの素敵なところをお互い褒め合ったり、子どもたちの姿で心を動かされた出来事をなるべく保護者や職員に話して共有するように
- 園児に関する情報を保護者や園児から得たときは、付箋にメモ書きして担任に渡すなど、忙しい保育者の手を止めないで伝える工夫をしている
保育ICTを導入し、書類作成や管理の手間を減らすことによって、子どもと向き合う時間、保育者同士で語り合う時間を増やすこともできます。
保育ICTのルクミーは、様々なサービスで実現したい保育のお手伝いをしています。
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「保育の未来をどうしようマガジン」目次
・ 【特集】私たちが本当にやりたい保育って何だろう?(みんなに聞きました!保育のための「あと15分」)
・ 業務改善の始め方
・ ICT導入を成功させる5つのポイント
・ みんなの保育(ICT導入インタビュー)
・ もやもやルーム
・ 年間行事早見表