コラム
【園の声まとめ】業務削減だけじゃない、保育ICT導入による「共有」「見える化」の効果
2023年05月24日
令和三年に作成された『保育所等におけるはじめてのICT活用ハンドブック』では、保育分野におけるICTツール導入の目的を下記のように整理しています。
- 保育分野におけるICTツール導入の目的
- 保育者の働きやすさ、保護者との良好な関係構築のため
- 業務フローの見直しなど、働き方改革とセットで保育ICTを導入すると「働きやすさ」につながる
- 連絡帳や写真などを通して子どもの成長を保護者と共有し合う
- 保育の質向上のため
- 子どもと向き合う時間を増やす
- ノンコンタクトタイム※保育を振り返る
- 保護者と一緒に子どもの成長を見守る
- 保育者の働きやすさ、保護者との良好な関係構築のため
【出典】『保育所等におけるはじめてのICT活用ハンドブック』https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2023/04/koukai_230413_12.pdf
これらはもちろん、手書きでも実現できている園もあるでしょう。
機械(ICT)を導入することで、それらがよりやりやすくなるのは、機械だからこその「共有のしやすさ」「見える化」が役立っているのだと考えられます。
では、保育の場面において、ICTは「共有のしやすさ」「見える化」に具体的にどのように役立っているのでしょうか?
保護者への情報共有例は多くあるかと思いますが、この記事ではルクミーをご利用いただいている園の先生方からのコメントを基に、特に職員間共有のポジティブな影響について具体例をご紹介したいと思います。
他の先生の保育の話を聞く機会が自然と増えた
ドキュメンテーションだけに限ったことではないのですが、連絡帳に写真を添付するときに他の先生に写真の背景を聞くなど、他の先生の保育の話を聞く機会が増えました。
当園ではチーム保育をしているので、一人の子に複数の先生の視点が生まれます。自分が見ていない瞬間の、子どもの姿が写真に残っていることで、「この子たちこんな活動してるけどどんな感じだった?」「この前にこんなことをしてたから、この写真につながったんだよ」という会話が生まれました。
(天神保育園さま事例インタビューより抜粋)
クラスを超えて保育に参加できることが嬉しい
以前は情報共有がうまくいかないときもありましたが、ルクミーのフォトやおたよりなどを使うことで、保育共有がしやすくなりました。
ルクミーのアイコンをタップすると他のクラスの様子もすぐ見られるので、クラスを超えて保育に関われている実感もわくようになりました。
(スマート保育園・幼稚園・こども園事例動画より抜粋)
タスク管理は自分のためではなくみんなのために
ルクミーフォトを導入して先生みんなが写真を気軽に撮影・共有できるようになったことで、担任の先生が見えなかったところを副担任の先生が撮っていて、気づきにつながるということもあります。
そうやって、職員同士が学び合いながらアイディアを出していけると、保育が楽しくなっていくと思います。
情報共有ってすごく大事ですよね。例えばタスク管理のようなものを当園でも導入していますが、その人のための管理というだけではなく、周りの人に自分の抱えているものを共有することで、助け合いやノウハウを共有したりなど全体の力を上げていくための側面を重視しています。
紙の管理はどうしても個人に依存しがちですし、先生のタスクも子どもたちの日々の様子もシステムを使う方が共有には役立つと思います。
(芽室幼稚園様より。全文はルクミー利用園限定WEBサイト「ルクミールーム」で公開中です)
情報へアクセスしやすくなると、自然と視野が広がる
ICT導入の変化は、ひと言で言うと子どもと向き合う時間が増えた、ということになります。噛み砕くと、保護者コミュニケーションや職員間の情報共有が円滑になるようになり、これまで情報が行き届かなかったパートの先生や、若い先生の視野が広がったのではないかと思います。
例えば複数人で山登りをする時の歩くスピードって、一番歩幅の小さい人や体力のない人に合わせる必要がありますよね。
それと同じで、園全体の保育の視座を高くしよう・レベルを上げよう、と考えた時、どうしても一番視野の狭い人に合わせざるを得ません。
園で一番保育の視野が狭くなってしまうのは、経験の少ない若い先生です。ただそういった若い先生は逆にITは得意だったりします。
保育の視野を広げるための情報は、子どもたちの日々の様子、保護者から聞くご家庭の様子、職員間同士のフィードバック……などさまざまありますから、ICTでそれらの情報にアクセスしやすくしてあげることで、保育の視野が自然と広がっていくんです。
(さくらしんまち保育園さま事例インタビューより抜粋)
【まとめ】「共有」「見える化」の先に繋がっていく「保育の質の向上」
令和5(2023)年3月『保育分野における ICT の導入効果及び普及促進方策に関する調査研究報告書』では、ICTの導入や活用ができている園とそうでない園で比較した際、ICTを活用できている園の方が「保育の質が高い」という実感がありました。
【出典】https://www.murc.jp/wp-content/uploads/2023/04/koukai_230413_11.pdf
保護者向けだけでなく、職員間の情報共有が加速することで、子どもの育ちにより多くの視点で振り返りでき、さらに日々の保育がよりよいものになっていく。それがひいては子どもたちのためになる。
単に手書きの書類をシステムに置き換えるだけではなく、ICTの導入をきっかけに子どもの記録に対する共有の意識の変化につなげていきませんか?
ルクミーは、園が目指したい姿に伴走するICT・研修サービスです。ぜひ今ICTをお使いの方も、これから使ってみようかと思っている方も、一度お気軽にご相談ください。